ツートーンジェネレータの続き
2SC3950から2SC1909への接続にFB101の1:4ステップダウントランスを二段とした場合にはFB101が発熱することが判ったのでLCマッチに変更してみた。
2SC1909のCbeが100pFくらいあるのが心配ではあったが想定インピーダンスを4.6Ωにおいたので入力容量の影響は大きくないようである。4.5ΩとしたのはLCマッチングの計算上、トロイダルコアで4turnとキリが良い値となったためである。ここではQはそれほど必要ないというか、あまり帯域が狭いと2SC1909の出力マッチング回路と影響しあって発振する懸念があったのでQ=0.3などと普通にはとらない値で計算している。これなら単なるLマッチ回路でもいいだろうといわれそうだが、電源供給用のチョークコイルを省略したかったので電源:コレクタ間にコイルを入れたかったのである。2SC1909には1Wも供給できれば良いので2SC3950の出力インピーダンスは50Ωとした。このような回路にすると2SC1909のベースが直流的に浮いてしまうのでFB101を介して接地している。これでも数Ωと予想される2SC1909の入力インピーダンスに比べれば大きいので問題はあるまい。
計算してみると共振器のコンデンサは20pF程度ということになり、これなら2SC3950の出力容量や配線容量で賄えるだろうと、最初はコンデンサをつけなかった。この状態で通電すると100mW入力で3W程度の出力が得られた。出力から逆算すると2SC3950は0.5W程度を出力している計算となる。このあたりは計算通りと言えるが2SC3950の利得は5倍、約7dBと高fTを期待して採用したにしてはお寒い限りだ。
しばらく通電していると2SC3950のあたりが熱くなってきた。おおよそ120mA程度流れているので1.4W入力があり、0.5W弱を出力したとして1Wが消費されているのでこんなものだろう。2SC1909には放熱器がついているので終段のほうが冷えているとなんだかおかしな状況ではある。ここでトロイダルコアが熱くなっているのに気付いた。Qは低いのでこんなに発熱するわけもなくおかしいと思い、当初の設計通り20pFを並列に接続したところコアの発熱は収まった。コイルのインダクタンスで阻止するにはインダクタンス不足で発熱したのだろう。
水晶発振にバッファをつけたばあい、得られる出力はせいぜい10mW程度なので利得がもう少し欲しいところである。そんなわけで入力を下げてみると、50mW程度にすると一気に100mW程度にまで低下してしまった。典型的なC級のノンリニアな特性である。なかなかすんなりとはいかない・・・
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