T25のIFTの損失が意外と少なかったこともありほぐしてしまうのも勿体ないので2SC3950単体でアンプを組んでみた。
組んだといっても特に工夫をこらしたわけでもない。単なる1石アンプである。違いといえば共振コンデンサを15pFにしたという程度。
当初は前回の1)の構成で2次巻き線から出力を出していたのだが、いざ通電してみると全然出力がでてこない(笑)。50MHz付近に影響するような周波数特性を持つのは出力タンク回路のみなので 周波数を振ってみたがほとんど変化しなかった。100mW入力で100mW出力と増幅していないのだ。いや、高調波は出ているから逓倍器というべきか・・・
前回の特性測定は-10dBmで測定していたので大電流特性となると話は変ってくるのかもしれない。ともかく15pFで狙い通り50MHz付近に同調してはいるようであったため二次巻き線を撤去して一次側から直接出力することとした。50Ω系であれば10V^2/(2*50)=1 W 出力の計算である。
今度は無事1Wの出力が得られた。この時の入力は14dBmだったのでおおおよそ16dBの利得となる。fTが高いトランジスタなのでもう少し利得があるかと思ったがこんなものなのだろう。ちなみに、-20dBm入力では0dBm出力となりA級動作領域であれば20dBの利得があるようだが、この程度であれば別にTO126サイズにする必要もない。普通のTO92やチップTrでも得られるので無意味だ。
現在、想定している2SC1909に繫ぐには0.5W程度の出力が必要なのだが、段間の損失、2SC3950の入力マッチング回路(ステップダウン)のことを考えると全体の利得としては10dB程度となり50mW程度の入力が必要になりそうだ。そうすると発振段も加えて4ステージ構成となってしまうが、さすがにこの程度の回路で4ステージ構成というのも大げさではあるし、各段の相互作用によるトラブルも起きてきそうである。
2SC1909を消費しようという思惑があったのだが、FETにながれてしまおうか、悩むところである。
なお、周波数特性についてだが、共振回路のインピーダンスを200Ω程度、タップ位置を1/3に設定しているので22Ωに対して50Ωの負荷となりQは1~2程度(トランジスタの出力インピーダンスを勘定に入れるかで倍違う)となり、45MHzから55MHz程度まではそれほど出力は低下しない。Qの割には選択性があるともいえるのだが(笑)。
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