完成した6FY7シングルアンプに通電してみた。音楽に対する耳を持っていないことは重々自覚しているので良し悪しはわからない(笑)。パソコンのサウンドアウトから入力してデスクトップでスピーカーを鳴らすには充分かなとは思う。
簡単に特性はとってみたのだが、グラフを作ってJPEGに書き出したところでついつい測定データファイルをセーブせずに終了してしまった。なので記憶によるのではあるが、片側クリップを目視で確認したところで1.1W、両側クリップだと2W程度だったと思う。利得は15dB程度なので1~2V程度のパソコン出力ならば低すぎず高すぎずといったところだろう。振り返れば設計通りなのだが、1W程度でクリッピングが目視で確認できるのは垂直管の非直線性を反映しているといえる。もっと初段を歪ませれば双方で補正は出来るのだろうが倍音成分がメインだろうから、このままでもよかろう。
周波数特性も見てみたが、どちらかといえばこちらの方が問題ではある。
低域も高域も狭い蒲鉾型で通信機であれば余計な混信が消えてくれて便利だねという形をしている。実は低域に関してはこれでも原型の6T10アンプよりは改善している。そのあたりは低内部抵抗がきいているということなのだろう。もう少し結合コンデンサやパスコンの容量を増加させれば改善はできると思う。
高域についてはもう少し良好なイメージを描いていたのだが想像以上に狭帯域だ。設計段階でミラー効果による高域の減衰はあるとは思っていたが10KHz程度は大丈夫だと思ったのだが・・・
少し気になったのでトランス単体の特性も見てみることにした。
今回使用したOPTと小型のわりに評判の良い東栄のT1200をほぼ同条件で計測した。測定機は高周波用のネットアナなのだが5Hzから測定可能なので流用している。そのかわり真空管接続時とは入力は1V程度と非常に軽い負荷条件で直流も流れていないので実装時よりも特性は良くなる方向で計測されるはずである。
50Ω系なので入力は1.2KΩの抵抗を直列に挿入し、出力には8Ωの抵抗を並列に挿入して測定している。そのためかシングルアンプ用OPTの泣き所である低域の低下は両トランスともわずかで40Hzでも1~2dB程度の低下だった。一方、高域は5KHz程度から低下が認められるが今回使用したトランスはT1200に比べて2倍程度の割合で低下しており、10kHzで3dB程度の減衰となっている。T1200には180kHz付近にピークがあるので低下割合が小さいのかも知れないが、実装したアンプでの特性はトランスの影響を強く受けているといえるだろう。
いろいろと改善する余地はあるのだが、KT88アンプの落ち着きを待つまでの繫ぎではじめたことでもあり、この程度にしておいて、また気が向いたらいじってみることになりそうだ。
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