2017年2月15日水曜日

6FY7シングルアンプ

 拾った球を使い、トランジスタ用の低電圧部品を使って50V以下でもそれなりの動作をすることがわかると、今度は球にとって普通の条件で動作させるということをしてみたくなった。とはいうものの、真空管を使ったオーディオは道楽であり、山水やタンゴといったオーディオとは縁遠い暮らしをしていても耳にしたことのあるメーカー製のトランスは高価でちょっと試してみるというのを躊躇するには十分な価格だ。
 当時は関西在住であったので日本橋を徘徊していると東京真空管という名前からしてこんなとこにあっていいのん?という店を見つけた。そこで当時1500円くらいで球用としては安いシングル用トランスを販売していたのでついつい買ってしまったのだ。電源はトランスを工夫すればなんとかなるだろうという軽い気持ちだった。そして、こゆいジャンクを販売しているデジットで新品で球用のトランスを販売していた。6.3V2Aと220V0.12Aのトランスで球用で良くみかける伏型でなく、縦型である。とはいえ普通の配置ではなく内蔵機器で時折見かける90度回転させた形の縦型だ。確か3000円くらいだったと思う。絶縁トランスにしてもこの容量だと同程度の値段はするので使いまわせるだろうという軽い気持ちで購入した。この時点で5000円程度の投資はしていたわけで、どうせなら実用としても使えるものを作りたいと思ったのだが、そうは問屋がおろさなかった・・・。
 それなりの音量がならせる球の種類は豊富にあるのだが、そのような球には需要があるのでそれなりの価格がついている。昔であればテレビから抜いたジャンクというものもあり安価にあったのだろう。じっさい秋葉原であればそのような球を100円程度の捨て値で販売しているところがまだあるが、関西ではついぞ見かけなかったのだ。そこに、海外通販であれば安価に販売してるものもあるということを知り、インターネットが一般の商用でも普及しだしたころでもあったためか、不良在庫品を$1で販売するセールに出くわした。$1/本なら多数買うと送料が3000円程度かかっても国内より破格値で購入できるな、というわけでいろいろと使えそうなものを購入した。12AU7も国内だと1000円弱かかり、通販でもそれなりの値段であったが電圧違いの7AU7は100円だったので結構買ったのである。終段に使えそうなパワー管も電圧違いならそれなりの種類があった。とはいえ6.3Vで使える有名球はセールになっていなかったが・・・。
 不人気球の中に6T10があった。これはTVのFM検波と増幅の五極五極複合管で6BM8が高額になる世の中であればこの球も高額になってもよかったはずなのだが、$1である。理由としてはソケットが12ピンであり、ヒーター電流は1.05A、しかも五極管の片方はG3にも利得を持たせるために単純な五極管として使用した時には性能がイマイチという一癖ある球だったからだろう。そんなことは購入してから知るわけなのだが(笑)、当時は使えるだろうと購入した。

 そうやって6T10を使ったシングルアンプを作ってみたわけだ。OPTも小さく五極管なので二次巻き線を利用した負帰還をかけたが、電源をいれて定常状態になるまでは不安定な発振を起こすというシロモノ。
 しかし、YM-180をシャーシとした小型に仕上がっていて、最初に形にしてみたという記念碑みたいな意味で今までときおり通電していた。

 先日のKT88で都合10台近くを作ってきたということもあり、自分としては初めての試みである、既存品の再利用をやってみようと思い立った。

やっぱり、いろいろと書いてると前書きで終わってしまうなぁ(笑)

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